マテリアリティ
MATERIALITY
マルマエグループは、「技術基盤の融合による持続的成長」と「中長期的な企業価値向上」を両立させるため、
経営として最優先で取り組むべき重要課題を「マテリアリティ」として特定しています。
本ページでは、基本方針、推進体制、特定プロセスとあわせて、6つのマテリアリティの内容・指標・目標を開示しています。
サステナビリティ基本方針
当社グループの素材と加工の技術は、情報社会の発展と持続可能な社会の実現に不可欠なものです。これらの事業を通じて社会に価値を提供し続けるため、以下の基本方針に基づき、サステナビリティへの取り組みをグループ全体で推進しています。
- 先端産業を支える技術と供給力で、情報社会の発展に貢献する
- 持続可能な社会の実現を目指す
- 誰もが活躍できる環境を整える
- 健全な経営基盤を確立する
マテリアリティ策定の基本的な考え方
マルマエグループは、「技術基盤の融合による持続的成長」と「中長期的な企業価値向上」を両立させるため、経営として最優先で取り組むべき重要課題を「マテリアリティ」として特定しています。本マテリアリティは、当社の事業戦略とサステナビリティを統合した「経営の羅針盤」であり、「先端産業のインフラ企業」としての社会的責任と、財務的インパクトの両面を考慮して策定しています。
策定の基本的アプローチ
財務マテリアリティと事業戦略の接続
SSBJ基準に基づき、サステナビリティ関連のリスクおよび機会が、将来のキャッシュ・フロー、資本コスト、およびROIC(投下資本利益率)に及ぼす影響を評価しています。特に消耗品ビジネスの拡大や生産性向上を通じた収益基盤の安定化を重視します。
インパクトマテリアリティの連鎖
自社の事業活動が環境・社会に与える影響(環境負荷低減など)が、長期的には規制対応、レピュテーションの向上、優秀な人材の確保を通じて競争優位性に転化するという「動的な重要性」を考慮しています。
連結経営の実態とレジリエンスの強化
KMACとの技術融合による製品や販路拡大、および全社的リスク管理を盛り込み、市況変動に対するビジネスモデルの強靭性(レジリエンス)を追求します。
策定における前提条件
- 当社グループの実際の事業内容・技術基盤・経営方針との整合
- 単体経営から連結経営(KMアルミニウムを含む)へ移行した現在の事業実態
- 全社リスク管理で認識している主要リスクとの接続
- SSBJ基準が求める「重要なサステナビリティ関連のリスクおよび機会」の考え方、およびSASB等の産業特性の反映
サステナビリティ推進体制
サステナビリティに関する課題への取り組みは、取締役会の監督のもと、ESG委員会を中心に推進しています。グループ経営体制への移行を踏まえ、ESG委員会・取締役会・KMACサステナビリティ委員会の3層体制で、グループ全体のサステナビリティ課題に対応しています。
ESG委員会の直後に開催される取締役会において、委員長(社外取締役)から活動状況を報告しています。マテリアリティへの対応が経営戦略・中期事業計画と整合しているかを監督し、必要に応じて対応方針の見直しや経営資源配分の再検討を指示します。
監督 ↑ / 報告 ↓
社外取締役を委員長とし、代表取締役社長、取締役、従業員11名(幅広い部門から選任)に加え、KMAC管理部長が委員として参加し、グループ全体の取り組み状況を共有しています。各マテリアリティの指標・目標に対する進捗をレビューし、課題および改善事項を取りまとめます。
方針展開 ↓
ESG委員会で決定されたグループ方針や課題をKMAC内で展開し、各部門での実行を推進しています。
サステナビリティ課題は中長期的な経営課題への取り組みとなるため、経営陣がメンバーとして参画し、経営へのインパクトを高めています。委員長を社外取締役が務めることで、社外の知見を入れた議論の活性化を図っています。
マテリアリティ特定プロセス
マルマエグループのマテリアリティは、以下の5つのステップを通じて特定しました。
-
事業環境・社会要請の整理
市場・技術動向、規制動向、環境・社会課題の変化等を踏まえ、当社グループを取り巻く外部環境を整理しました。
-
全社リスクおよび機会の洗い出し
既存の全社リスク管理表、事業戦略、連結化による影響を踏まえ、経営上の主要なリスクおよび機会を抽出しました。
-
SASBスタンダードの参照
当社グループの主要事業に対応するSASB産業別スタンダードを参照し、抽出したリスク・機会が産業特性上の重要課題と整合しているかを検証しました。
-
経営視点での重要性評価
事業継続性、競争力、成長性への影響を軸に、経営判断に基づく質的整理を実施しました。
-
マテリアリティとしての統合・整理
重複や過度な細分化を避け、経営管理およびモニタリングが可能な粒度に集約しました。
マテリアリティの見直し方針
本マテリアリティは、原則として年1回、ESG委員会においてレビューを行い、必要に応じて改定します。見直しにあたっては、以下の観点を考慮しています。
- 事業環境の重要な変化(市場の動向、技術の変化、規制の動向等)
- グループの事業構成に重大な変更が生じた場合(M&A、事業再編等を含む)
- 全社リスク管理における評価結果の変動
- 外部ステークホルダー(顧客、投資家、ESG評価機関等)からのフィードバック
- SSBJ基準等、開示基準の改定・適用
見直しの結果は取締役会に報告し、改定を行った場合は、変更の内容およびその理由を開示します。なお、マテリアリティに紐づく指標の進捗状況は、統合報告書等を通じて開示しています。
マルマエグループ・マテリアリティ
事業戦略に関するマテリアリティ3項目と、経営基盤に関するマテリアリティ3項目の合計6項目を特定しています。各項目について、影響度・時間軸・財務インパクト・指標・目標を開示しています。各項目をクリックすると詳細が開きます。
- 時間軸の定義
- 短期:1年以内(単年度予算)
中期:3〜5年(中計期間、2028年8月期まで)
長期:5〜10年以上(2030年・2040年ネットゼロ目標)
- 影響度の定義(損失ベースの目安)
- 大:10億円以上(重大な財務損失・取引停止・社会的信用低下)
中:1億円規模
小:1,000万円規模
事業戦略に関するマテリアリティ
01 技術融合による高付加価値・消耗品ビジネスの拡大 影響度 大中期〜長期
半導体製造装置市場は市況の変動が大きく、装置投資の減速局面でも収益を確保できる事業構造の構築が重要です。マルマエの精密切削加工に加え、KMACの材料・鋳造・表面処理技術を取り込んだ連結体制へ移行しており、これら複数の基盤技術を融合し、高付加価値かつ消耗品型のビジネスを拡大できるかが、収益の安定性および競争優位性を左右する重要な経営課題となっています。
半導体市況のボラティリティによる売上・利益の変動、装置投資依存型の収益構造
KMACが有する超高純度アルミ精製技術や独自表面処理技術を活用した、代替困難な高付加価値・消耗品ビジネスの確立
複数の基盤技術を組み合わせた高機能・長寿命消耗品の開発および提案を強化し、消耗品ビジネス比率の拡大による安定収益基盤の構築を図ります。
- 指標
- 消耗品売上比率(%)/マルマエ
- 目標
- 継続的向上(マルマエ)
財務インパクト評価
※KMACは事業モデルが異なるため、本マテリアリティでは共通の数値目標を設定していません(KMACの顧客分散はマテリアリティ03で管理)。マルマエ半導体分野の消耗品比率は2025年8月期時点で71.8%と高水準であり、現水準の維持・向上を図ります。
02 生産性・資本効率を軸とした持続的成長モデルの確立 影響度 中短期〜中期
労働力の供給制約が強まる中、単純な人員増加や固定費拡大に依存した成長モデルは持続性に課題があります。人・設備・固定費を最適化しつつ、高い付加価値と生産性を両立させる経営モデルの構築が重要です。また、連結経営体制への移行を踏まえ、グループ全体で資本効率を意識した経営管理の高度化が求められています。
固定費増加による収益性の悪化、設備投資の非効率化、資本コスト上昇
DXや生産プロセス改革を通じた省人化・高付加価値化による生産性向上および資本効率の改善
設備投資および生産プロセス改革、DXを通じた業務効率化・省人化を推進し、「少ない人・設備・固定費で高い付加価値を生み出す」経営モデルの確立を図るとともに、ROICを重視した資本効率経営を実践しています。
- 指標
- 連結ROIC(%)/一人当たり限界利益
- 目標
- 連結ROIC 2028年8月期 15%/一人当たり限界利益 2,000万円
財務インパクト評価
03 複数の基盤技術を活かした事業ポートフォリオの高度化 影響度 大長期
特定分野や特定顧客への依存度が高い事業構造は、市況変動リスクを内包しています。特に半導体分野は景気サイクルの影響を受けやすく、顧客構成や用途の偏りは業績のボラティリティを高める要因となります。一方で、当社グループは高純度アルミ材料、精密切削加工、表面処理等の複数の基盤技術を有しており、これらを組み合わせることで新たな付加価値創出が可能です。長期ビジョン「Our Vision 2030」では、汎用技術を基盤としながらキーテクノロジーの拡張を進め、半導体分野に依存しない新たな売上の創出と多分野展開を推進することを掲げています。
特定顧客・特定分野への依存による業績変動リスク
複数の基盤技術を融合した高付加価値製品の創出、および半導体分野に依存しない新規用途・新産業分野への展開による収益基盤の安定化
複数の基盤技術を組み合わせた製品・ソリューション開発を推進し、半導体分野内での用途拡張および中長期視点での新分野展開(宇宙・防衛・産業機器等)を通じて、事業ポートフォリオの強靭化を図ります。
- 指標
- クロスセルによる売上高/分野別・上位顧客売上集中度(KMAC)
- 目標
- KMAC:各分野における1位顧客の売上比率低減/クロスセルによる販売拡大
財務インパクト評価
経営基盤に関するマテリアリティ
04 資源循環・環境負荷低減への対応 影響度 小→中中期〜長期
当社グループは、製造工程において一定のエネルギー使用および温室効果ガス排出に加え、水資源の使用や化学物質の取り扱い、廃棄物の発生を伴います。事業の特性上、水リスクは相対的に低いものの、顧客要請やCDP等の外部要請を踏まえ、気候変動・資源循環・水・化学物質を中心とした環境負荷低減をグループ全体の重要な経営課題として位置づけています。また、アルミニウム資源を多く使用する事業特性を踏まえ、使用済み材料やスクラップを活用した自社精製技術を、資源循環を実現する中核的な取り組みと位置づけています。
エネルギー価格上昇や炭素税等の移行リスク、環境規制の強化や化学物質の管理不備による操業・取引への影響
製品の長寿命化やリサイクル、自社精製技術を活用した資源循環の高度化による環境負荷低減、環境データの開示対応を通じた顧客からの信頼性向上
グループ全体で温室効果ガス排出量(Scope1・2・3)、水使用量、廃棄物および化学物質に関する実態把握・管理を進めるとともに、2040年ネットゼロを見据えた気候変動戦略の再整理を行い、資源循環および環境負荷低減に向けた取り組みを推進します。
- 指標
- グループGHG排出量(Scope1・2・3)/水使用量・排水量/廃棄物排出量/化学物質管理の実施状況
- 目標
- 2040年ネットゼロを目指す/水リスク評価・開示の継続/廃棄物排出量の削減/自社精製原料使用比率の段階的向上
財務インパクト評価
05 技術・技能の継承と人材・組織基盤の強化 影響度 大中期〜長期
当社グループが有する精密加工、材料、鋳造、表面処理等の高度な技術を持続的に発展させていくためには、技術・技能の確実な継承と、それを支える人材・組織基盤の強化が不可欠です。また、人権、DEI、労働安全、働き方といった人的側面への対応は、事業継続および企業価値の基盤となる重要な要素です。
高度な技能を有するエンジニアの不足、技能継承の停滞、労働災害の発生
人材育成の強化による生産性向上および技術競争力の強化
技術・技能の体系的な継承とエンジニア人材の確保・育成を進めるとともに、人権・DEI・労働安全・働き方を含む人的資本施策を推進し、持続的成長を支える人材・組織基盤の構築を図ります。
- 指標
- 休業災害件数/安全教育実施率/エンゲージメントスコア/女性比率/育児休業取得率
- 目標
- 重大・死亡災害 0件/エンゲージメントスコア 継続的向上(業界平均以上)/女性比率 継続的向上/男女ともに育児休業取得率75%以上を維持
財務インパクト評価
※KMACは2026年4月よりエンゲージメントサーベイを全社で展開開始。エンゲージメントスコアおよび女性比率のグループ目標は、KMACの結果を確認した上で設定予定です。
06 グループ経営・ガバナンスの高度化 影響度 中(顕在化時は大)中期〜長期
連結経営体制のもとで、グループ全体を見据えたガバナンスおよびリスク管理を強化しなければ、事業継続や企業価値に重大な影響を及ぼすリスクが顕在化する可能性があります。特に、情報セキュリティ、サプライチェーン、品質、BCPといった領域は、事業継続の前提条件として統合的な管理が求められています。また、一部の重要原材料について供給の制約や価格変動の影響を受ける可能性があり、サプライチェーンリスクへの対応は経営のレジリエンス確保の観点から重要な課題です。
ガバナンス不全やリスク管理の不備による不祥事・情報漏えい・操業停止、ならびに原材料供給の制約や価格変動に起因する事業継続リスク
グループ横断のガバナンスおよびリスク管理の高度化による経営の透明性向上、意思決定の迅速化および事業レジリエンスの強化
グループ横断のガバナンスおよびリスク管理体制を強化し、情報セキュリティ、サプライチェーン、品質、BCPを含む重要リスクの統合的な管理を推進します。特にサプライチェーンについては、原材料調達を含めた供給体制の多様化および継続的なリスク評価を通じて、レジリエンス向上を図ります。
- 指標
- 情報セキュリティインシデント発生件数/BCP整備・見直し状況/不良損失金額/サプライチェーン管理状況
- 目標
- 情報セキュリティ管理体制の整備・運用/グループBCPの整備・運用/不良損失金額の削減/サプライチェーン管理体制の整備・運用
財務インパクト評価
ESGデータ・関連情報
各マテリアリティに関連する定量データおよび取り組みの詳細は、以下のページをご参照ください。各マテリアリティの進捗の詳細は、統合報告書「マルマエグループレポート2026」で開示しています。
本ページは株式会社マルマエおよび連結子会社(KMアルミニウム株式会社)を対象としています。記載の見通しは現時点で入手可能な情報に基づくものであり、実際の結果と異なる可能性があります。

